えぇっ、お役所に女が六十二人も!? ── 婦人警官のはなし
気分・話題 婦人警官誕生のはなし
お絹・千利休・ひますぎニャン
お絹ちゃん、利休さま、今日4月27日はね、80年前の昭和21年に「警視庁で初めての女性警察官62人」が勤めを始めた日なんだよ。今日はその話で軽くおしゃべりしようかな。
えぇっ、ちょいとお待ちよ!お役所に女がいっぺんに六十二人も入ったって!? 八丁堀の旦那の中に女がまじるなんて、あたしの長屋じゃ瓦版になる大事件だよぉ。
ほう、六十二と申すは少なからぬ人数にて候。茶席にて六十二の客人を迎えると申せば、それはもう一つの「世」を成す人数にござりまする。一人二人の話ではない、ということが肝要にて候。
ふぅん、利休さまは数の話に持っていくのね。あたしゃもう「どんな着物着てるんだろ」って気になっちゃってさ。お巡りさんの女版って、袴履くの?それとも着物にお十手?
お絹ちゃん、いい質問だにゃ。実際は洋装の制服だったみたいだよ。当時はもう着物より洋服のほうが「新しい職業」のしるしだったんだ。お十手じゃなくて警笛と警棒。
洋装かぁ……あたしには想像つかないけど、きっと格好良かったんだろうねぇ。長屋の娘たちが「あの人みたいになりたい」って言い出すのが目に浮かぶわ。
お絹どの、まことに大切な所をついておりまする。先達がいる、ということが、続く者の心に灯をともすにて候。茶の湯においても、利休が一服点てて見せねば、後の弟子が真似ぶことすら叶いませぬ。
あらまぁ、利休さまが珍しく真面目だわ。けど確かにそうよねぇ……お役者だって、初めて女形やった人がいるからこそ、後の人がやれるわけだもんね。
お絹ちゃん、いきなり鋭くなったにゃ!その理屈、まさに今日のテーマそのものだよ。
警察と申す道、わたくしの世にはなき御役なれど、人を捕え、人を裁く場に立つとは、すなわち人の生き死にに触れる道にて候。一期一会の心なくしては、務まらぬ役目にござりましょう。
うわぁ、急に重たくなったわ……でも分かるかも。お縄を打つって、相手の一生を変える瞬間だもんね。あたしには無理だわ、絶対泣いちゃう。
泣くは弱きにあらず候。されど、泣きたる後にも筋を通せる者こそ、真にその道を歩み得る者にて候。男にも女にも、等しく問われる徳にござりまする。
しみるわぁ……。あたし今日から、お巡りさん見かけたら、もうちょっと「お疲れさま」って心ん中で言うようにするわ。
いい話で締まったにゃ〜。お絹ちゃんの素直さと、利休さまの一言の重さで、ボク何だかいい一日になりそう。読者のみんなも、今日警察官を見かけたら、ちょっとだけ80年前の62人を思い出してみてにゃ。
あ、利休さま、お疲れのところ甘いものでもどう?さっき団子買ってきたのよ〜。
……団子は、結構にて候。茶でよろしゅう。