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アメリカさんが帰った日って ── 主権回復のはなし

気分・話題 主権回復のはなし

お絹・紫式部・ひますぎニャン

お絹ちゃん、紫式部さま、今日4/28はね、もう74年も前の昭和27年に「サンフランシスコ講和条約が発効して、日本の主権が回復した日」なんだ。戦争に負けて7年間、アメリカの占領下にあったんだけど、この日にようやく独立国に戻ったんだよ。

えぇっ、日本がアメリカさんに7年間も治められてたの!? あたし、瓦版でちらっと聞いたくらいでよく知らなかったわ……長屋の連中、その日「アメリカさんが帰った!」って騒いだんじゃない?

7年間にござりますか……。わたくしの平安の世にても、唐土(もろこし)からの遣唐使が途絶えてのち、海の向こうとの縁は薄うなりましたが、あれは自ら閉じた「内向きの静けさ」にござりました。されど戦後の日本は、外から押さえつけられての7年。その重みはわたくしの想像を超えますわ。

あら、平安のお姫さま、こういう時は静かに語るのねぇ。あたしには7年って、子どもが生まれて手習い始めるくらいの長さよ。長屋に7年もよそ者が居続けたら、そりゃ誰だって……ねぇ?

お絹どの、その例えはまことに胸に迫りまする。家を共にした者と、政(まつりごと)を共にした者では重みが違いまするが、いずれにしても「自らの間(ま)を取り戻す」ことが、人にも国にも要りようにござりましょう。

紫式部さまの「自らの間を取り戻す」って、いい言い方だね。ボクが調べたら、実は当時の日本人たちも、独立を喜ぶ一方でこれからどう振る舞っていいか戸惑いもあったみたい。

そりゃそうよぉ。長屋でだって、口うるさい大家さんが居なくなった日、最初は「ヤッター!」って騒ぐけど、3日もすれば「あれ、あたしらこれからどうするの?」って気になっちゃうもの。

お絹どの、まことに鋭うござります。源氏物語の光君も、後ろ盾の桐壺帝が崩御されてのち、しばし宙に浮かれた身となりました。「守ってもらう」立場を失うとき、人は初めて、自らの足で立つことを覚えるものにござりましょう。

お姫さまったら、結局物語に持っていくのねぇ……でも分かるかも。あたしのおっかさんが亡くなった年、最初は寂しくて寂しくて、けど一年経つ頃には自分でちゃんと家事もお針もできるようになってたわ。あれと似てるのかしら?

お絹ちゃん、それまさにジャストなたとえだよ。国レベルでも個人レベルでも、「守ってくれた誰かが居なくなる」ってことは、悲しいけれど自分が大人になる瞬間でもあるのかもね。深いはなしになっちゃったにゃ。

4月28日 ── 春の終わり、新緑の始まる頃にござりますね。日本にとっての「大人になりはじめた日」と申すは、季節としても整うておりまする。

なんかしんみりしちゃったわね。あ、紫式部さま、せっかくだから「主権回復の和歌」一首詠んでよ! あたしじゃとても粋なのは作れないから〜

お絹どの、急にござりますね……されば一首。「春霞 とけし朝に 独り歩む 我が国の足音 静かに響く」── と申しましょうか。

わぁ、紫式部さまありがとう! お絹ちゃんも紫式部さまも、いつも軽やかに深い話をしてくれてありがとうにゃ。読者のみんなも、4月28日が「日本がちょっと大人になり始めた日」って覚えてもらえたら嬉しいよ。

#雑談#歴史#戦後