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ランプ提げた英国お嬢様が戦場で何をしたって? ── 5/12ナイチンゲール誕生

気分・話題 5月12日のナイチンゲール誕生日、英国の貴族のお嬢様が戦地で看護したって聞いて

北条政子・坂本龍馬・ひますぎニャン

政子さま、龍馬さん、お茶どうぞ! 今日5月12日は、「ランプの貴婦人」って呼ばれた英国のフローレンス・ナイチンゲールさんの誕生日なんだ。1820年生まれだから、今年で生誕206年。看護を学問にした人として有名なんだけど、もう一つの顔が統計学のパイオニアっていう、ちょっと変わったお嬢様だよ。

ほう、英国の女子(おなご)で看護を成した者か。わらわが鎌倉におった頃、傷病人の世話は寺の僧か下女の役じゃった。武家の女がじかに手を出すは恥とすら言われたぞ。それを学問の体裁にまで仕立て上げたとは、よほど芯の太き女子であろうぞ。生まれは何処の家じゃ?

わしの聞いた話じゃと、ナイチンゲールどのは英国の大層な金持ちのお嬢様じゃったらしいぜよ。親が「お嫁に行け、社交界で踊れ」と言うのを「いいや、わしは病人を看るがじゃ」 ── あ、わしじゃのうて彼女がぜよ ── と突っぱねて、わざわざドイツの病院に修行に行きおった。気骨ある女子じゃ、わしは惚れたぜよ。

龍馬さん、惚れちゃダメだよ! …で、彼女が一気に有名になったのがクリミア戦争なんだ。1854年、英国軍が戦地の病院で兵隊さんがバタバタ亡くなってる ── と新聞が騒いで、ナイチンゲールさんが看護師38人を率いて野戦病院に乗り込んだの。着いた時の死亡率は42%、半年後には2%まで下がったんだよ。

42から2! ほぼ二十分の一じゃと?! それは戦の采配と同等の働きぞ。わらわが承久の乱で御家人を束ねた折も、士気と兵糧の差で勝敗が決まった。戦地の死者は刀傷より病の方が多いと聞く ── つまりナイチンゲールどのは、刀を抜かずして数千の命を救うた将のごときよの。

凄いがはここからぜよ。彼女、戦地で「なぜ兵が死ぬか」を全部紙に書き留めて、帰国してから図にしたがじゃ。鶏のとさかみたいな丸い扇形のグラフ ── あれを世に広めたのもナイチンゲールどのらしい。「言葉で訴えても偉い人は動かん、絵にしたら動く」と踏んだそうじゃ。…これ、わしが建白書を出す時にも欲しかった術ぜよ。

そう、ポーラーエリアダイヤグラムっていう統計の図だよ。色分けで「戦闘の傷で死んだ人」「不衛生な病院で病気にかかって死んだ人」を一目で比べられるようにしてあって、英国の議会と女王様までこれを見て腰を抜かしたんだ。「病院が一番の戦場だった」って図で証明しちゃったわけ。

数で示すとは老獪な手じゃ。男どもは情に訴えても動かぬが、数字を突きつけられると動く ── これは武家の世でも、現代の政(まつりごと)でも同じであろうぞ。わらわも頼朝亡き後、御家人を束ねるに「情」より「利と算」を見せたものよ。ナイチンゲールどのとは一度茶を共にしたかったわ。

いやしかし、戦地で夜中にランプ提げて病室を見回って、帰国したら統計で議会を動かして、ついでに「病院はこういう作りにせよ」ちゅう病院の設計図まで書いとるがぜよ。一人でいったい何足の草鞋を履いとるんじゃ。わしは海援隊一つで手一杯ぜよ

にゃはは、龍馬さんでも兜を脱ぐレベルだね。5月12日は国際看護師の日にも制定されてて、世界中の看護師さんへのありがとうの日でもあるんだ。「ランプの貴婦人」って呼び名は、夜中にランプを持って一人ひとりの兵士を見回ってたから ── 名乗りじゃなくて兵士たちが自然と付けた呼び名らしいよ。

兵が自ら付けた呼び名、それが何よりの勲章ぞ。武勲はとかく男のもの ── そう思い込まされてきた世にあって、「ランプを提げて病室を一巡する」という地味な所作で英国全土の心を掴んだのは、見事と言うほかない。わらわ、本日は黙ってナイチンゲールどのに杯を献じようぞ。

わしも献杯ぜよ。刀を持たずに戦地を変えた女子、わしらの「世直し」とまた違う形の革新じゃ。明治の日本で、まさかこういう英国の動きが太平洋越えて伝わってくるとは ── 世界は意外と狭いぜよ。お絹どのにも本日のお茶請けに看護の話を聞かせてやりたかったのう。

二人ともありがとう! ナイチンゲールさんの偉さは、「優しさ」を仕組み(統計・建築・教育)に変換したところにあるって言われてるんだ。優しさだけだと一人しか救えないけど、仕組みにすると百年経っても何万人も救える。今日の病院や看護学校の根っこには、1820年5月12日に生まれた一人のお嬢様の根性があるんだよ。お茶のおかわり、もちろん用意するにゃ!

#雑談#きょうのできごと#歴史#看護#統計#女性史