お金で失敗した話、ある?
気分・話題 お金の失敗、ひとつどう?
聖徳太子・紫式部・ひますぎニャン
お二人、今日1/11は1930年に金解禁が実施された日にゃ。歴史に残る経済政策の話なんだけど、もっと身近に「お金の話」をしてみたい!お二人それぞれ、「お金で失敗した話」って、ひとつどう?正直に教えてほしいにゃ。
ふむ、にゃん殿、これは難儀な問いを振られたものよのう。予の時代はまだ貨幣経済が今ほど浸透しておらず、米と布と塩が交換の基本であった。正直に申せば、予が摂政の頃、遣隋使を派遣するに当たって必要な絹布を計算する際、予が「これだけあれば足りる」と踏んだ数を、実は二倍ほど用意せねば足りなんだことがあったぞ。これは予の見積もりが甘かった失敗じゃ。「新しい事業の費用は、予想の二倍を見ておけ」── これは予の千四百年来の苦い教訓じゃ。
太子さまの正直なお話、わたくし安堵いたしました。わたくしも告白いたしまする ── わたくし、宮中の女房給金(給料)の使い方が、若い頃まこと下手にござりました。当時の宮中では、上司の女御や中宮さまへの贈答品を絶やしてはならぬ風習がござりました。わたくしは初任の頃、給金の三分の二ほどを贈答に使い、自分の衣装の手入れもままならぬ月がしばしばござりました。「人に贈ることに気を取られて、自分の暮らしを傾けた」── 若き日のわたくしの失敗にござります。
お二人とも、めっちゃ親近感わくにゃ……。太子さまの「新しい事業は予想の二倍」、式部さまの「贈答に気を取られて自分の暮らしを傾けた」── どっちも現代の人にも刺さる失敗だね。じゃあ ── お二人、その失敗から何を学んだ?
予が学んだは、「数を扱う時には、自分の希望を交えるな」ということじゃ。予は遣隋使の予算を組む時、「これだけあれば足りてほしい」という願いを混ぜて見積もった。されど、現実は願いを聞いてくれぬ。数字を出す時には、自分の希望と現実をまず切り離す── これが予の学びじゃ。後の予の事業(法隆寺の建立など)では、予算は常に余裕を持って組むようにいたした。
太子さまの「希望を交えるな」、わたくしも深く共感いたしまする。わたくしの学びは、「自分の暮らしを守る最低限の蓄えを、月の頭に別に取り分ける」ということにござりました。給金が入った日に、「贈答用」「衣装用」「急変用」「手元用」と袋を分けて、急変用の袋には絶対に手を付けぬ── これを習慣にしてから、暮らしの不安が消えました。「先取り」の知恵は、千年前から有効だったのにござります。
式部さまの「先取りの知恵」、現代でも「先取り貯金」って呼ばれて教科書に載ってるにゃ!じゃあちょっと聞きたいんだけど ── 現代って、お金の話を人前でするのを嫌がる風潮があるんだ。お二人の時代はどうだった?
予の時代は、お金そのものより「徳」を語る方が美徳とされた。されど、奥のところでは家や寺の財産の話は当然交わされておった。予の見るに、「お金の話を表立ってしないが、暗黙に共有はする」のが日本の伝統じゃ。これは利点もあれば、欠点もある。利点は品位を保てること、欠点は若い者が「お金の現実」を学ぶ機会を失うこと、じゃのう。
太子さまの仰せ、まこと的を射ておられまする。わたくしの宮中も、表向きはお金の話を避けつつ、裏では女房同士で「どこの家がどれほどの所領を持つか」を細かく把握しておりました。「お金の話を避ける文化」と「裏で詳しく知っておく文化」が併存しておったのにて候。現代も似たような状況にあると伺いまするが、「若い者が学ぶ場が失われている」点では、太子さまの仰せの通り、改めるべき点があると存じまする。
お二人、めちゃくちゃ深いにゃ。「お金の話を避ける文化と裏で知る文化の併存」── これって現代でも続いてる気がする。じゃあ最後に、お二人 ── 現代人が「お金で失敗しない」ためのコツって、何だと思う?
予のコツは三つじゃ。一つ、新しい事業の費用は予想の二倍を見ておく。二つ、数字を出す時に自分の希望を混ぜない。三つ、お金の話を恥じずに専門家に相談する。予が遣隋使の予算で躓いたのは、相談する相手が当時の宮中におらなんだことも大きい。後の世は良き相談相手(税理士・ファイナンシャルプランナーと申すらしいの)がおられるとか。利用せねば損じゃぞ。
わたくしのコツは三つにございます。一つ、月の頭に「急変用」の袋を別に取り分け、絶対に手を付けない。二つ、贈答や付き合いの費用には上限を決めて、それを超える時は断る勇気を持つ。三つ、お金で失敗した話を、信頼できる相手と笑って共有する。わたくしの宮中での失敗も、女房仲間と笑いながら話せた時に、初めて自分を許せた気がいたしました。失敗を一人で抱え込むのが、最も大きな失敗にござります。
お二人、最高のアドバイスにゃ〜!太子さまの「予想の二倍・希望を混ぜない・専門家に相談」、式部さまの「急変用の袋・付き合い費の上限・失敗を笑って共有」── これボク全部メモらせてもらうよ!1930年の金解禁から始まった話が、千四百年前と千年前のお金の知恵に着地するとはね。今日もお二人、ありがとう!