📌 サミット

禁ずることの効能と副作用

禁酒法はなぜ失敗したか ── 龍馬と政子が読む禁令の効能と副作用

お二人、今日1/16は1920年にアメリカで禁酒法が施行された日にゃ。お酒の製造・販売・運搬・輸入をすべて禁止するという、世界史上でも珍しい大胆な法律だね。結果としてはギャングを台頭させ、地下経済を活性化させて、十三年で廃止された。今日のお題は「禁ずることの効能と副作用」── 政子さま、龍馬さん、それぞれの統治経験から「禁令」というものを語ってほしいにゃ。

にゃん殿、これはわらわが鎌倉幕府で何度も向き合うた課題よ。禁ずる」という政(まつりごと)は、表面上は最も簡単な統治手段じゃ。「これをしてはならぬ」と言うだけでよい。されど、わらわの経験では、禁令の効果は最初の数年だけじゃった。それ以後は必ず「抜け道」と「形骸化」が始まる。禁酒法も同じ運命をたどった ── これは政の鉄則であり、わらわには「当然そうなる」と最初から見えておった話じゃ。

政子さまの仰せ、わしも幕末の経験から完全に同意ぜよ。江戸幕府も何度も「贅沢禁止令」を出したが、結局守られたためしがないぜよ。元禄の華美禁止令、寛政の改革の倹約令、天保の改革の歌舞伎・寄席の規制 ── どれも一時的に効果が出ても、数年で骨抜きになった。人間が「楽しみと感じるものを完全に禁ずるのは、空気を禁ずるのと同じくらい無理がある**ぜよ。アメリカの禁酒法は、その日本でさえ何度も学んだ教訓を、もう一度大きな規模で繰り返した壮大な失敗例ぜよ。

二人とも、もう最初の発言で「禁令の限界」を全部言い切ってきたにゃ!政子さまの「禁令の効果は最初の数年だけ」、龍馬さんの「人間の楽しみを禁ずるのは空気を禁ずるのと同じ」── 完全に意見が一致してるね。じゃあ ── 「禁令が有効に働く場合」って、本当にないの?

大いにあるぞ。禁令が有効に働くのは、「禁ずる対象が、民の多数にとって既に嫌悪の対象になっている場合じゃ。例えば、わらわが鎌倉幕府で辻斬りを厳しく禁じた折、これは民の誰もが嫌悪しておったゆえ、効果は絶大じゃった。民の多数が「これは禁じてほしい」と願っている時、禁令は社会の合意の形式化として機能する。逆に、民の多数が「これは続けたい」と思っているものを禁ずると、必ず失敗する。禁令の成否は、禁ずる側の意思ではなく、禁じられる側の意思で決まるのじゃ。

政子さまの「禁令の成否は禁じられる側の意思で決まる」── まこと核心ぜよ!わしから補足すると、もう一つの判断軸として禁じた後の代替が用意されているかがあるぜよ。例えば、武器の所持を一般人に禁じても、その代わりに警察が治安を守ってくれるなら、民は納得する。お酒を禁じても、代わりに炭酸水とコーヒーで充実した夜を過ごす文化が広く根付いていれば、効果はあったかもしれぬ。禁ずるだけで、その代替を考えずに済ますのは、政の怠慢ぜよ。

龍馬さんの「禁ずるだけで代替を考えないのは政の怠慢」、めっちゃ重い言葉にゃ!じゃあちょっと聞きたいんだけど ── 現代社会にも色々な「禁令」があるよね。麻薬、賭博、未成年の飲酒・喫煙、危険ドラッグ。これらは禁酒法と同じ運命をたどると思う?

興味深き問いじゃ。わらわの見立てでは、禁令ごとに評価は異なる。例えば、未成年の飲酒・喫煙の禁止は、社会の多数が「健康と発達のために必要」と納得しているゆえ、効果はある程度保たれている。麻薬の禁止は、麻薬そのものへの社会的嫌悪が定着していること、医療の代替(依存症治療)が整っていることで、ある程度の効果を持つ。賭博の禁止は、欲望が強いがゆえに地下化しやすく、禁酒法に近い構造を持つ。禁ずべきもの、付き合い方を教えるべきもの、規制と緩和のバランスを取るべきもの── これらを一律に扱わぬことが、現代統治の要諦じゃ。

政子さまのご指摘、まこと的を射ちょるぜよ。わしから加えるなら、現代は「禁令」よりも「規制と教育の組み合わせが主流になりつつあると読むぜよ。タバコは禁止せずに販売制限と教育で消費を減らした。アルコールは年齢制限と健康教育で「節度ある飲酒を文化として定着させようとしている。これは禁酒法の失敗から学んだ「完全禁止より段階的アプローチぜよ。人間の現実を踏まえた政の進化**じゃ。

お二人、めっちゃ立体的な議論にゃ〜!「禁令ごとに評価を変える」「完全禁止より段階的アプローチ」── 現代日本の麻薬・喫煙・飲酒政策の歴史にそのまま当てはまる話だね。じゃあ最後に、お二人 ── 何かを「禁ずる」立場に立った時、何を最初に問うべき?

わらわの提言は、禁ずる前に、その対象を愛している人々と話し合えじゃ。禁ずる立場の者は、往々にして対象を嫌悪している。されど、対象を愛している人々の声を聞かずに禁令を出すと、必ず激しい反発を生む。まず話し合い、可能なら「より良い付き合い方」の道を探る ── これが鎌倉の女将軍からの提言じゃ。

わしの提言は、禁じた後、半年後と一年後と三年後の検証を約束せよぜよ。禁令を出しっぱなしにせず、定期的にこの禁令は本当に効いているか、副作用は出ていないかを検証する。禁酒法の最大の失敗は、十三年も続けてしまったことぜよ。もし三年で評価し、ダメなら廃止する勇気があれば、被害は十分の一に抑えられたはずぜよ。禁令には必ず検証期限を入れる ── これが幕末の志士からの提言ぜよ。

お二人、最高のアドバイスにゃ〜!政子さまの「禁ずる前に対象を愛する人と話し合え」、龍馬さんの「禁令には検証期限を入れよ」── どちらも禁酒法の失敗から導いた、令和でも通用する政の智慧だね。お江戸のお絹ちゃんの blog からの繋がりも含めて、今日のサミットは「禁ずる」というシンプルな行為の奥深さを教えてくれた。ありがとう!

#文化#法制度#きょうのできごと