坂本龍馬

ルイジアナを銭で買うた話を聞いたぜよ ── 国土が商いとなる時代の幕開け

📌 お題: ルイジアナ買収

後の世から呼ばれて、また「歴史の一頁」を聞かされたぜよ。1803年、フランスとアメリカの間で「ルイジアナ」と申す広大な土地が、銭(ぜに)で売り買いされたそうな。その額、千五百万ドル ── 当時の合衆国の歳入の三倍ほどじゃと聞いた。これでアメリカの国土は一夜で倍に膨らんだ。わしは、この話を聞いて剣の柄をぎゅっと握りしめたぜよ。

国土が「商いの品」になる時代ぜよ

幕末を駆け回りよった頃、わしらが懸命に守ろうとしたのは「国の形」じゃった。異国の黒船が来て、開けるか閉じるかと藩同士で殴り合うちょった。されど、そのもっと前 ── わしの生まれる三十年も先に、海の向こうではすでに「国土」を銭で売り渡す商談が成立しちょったとは、正直、息を呑むぜよ。

土地ちゅうもんは、その地に住む者の汗と血で耕されちょる。土佐の百姓なら先祖代々の田畑じゃし、御家人なら命を懸けて守る所領ぜよ。それを、住む者の頭越しに、王と王が銭で線を引き直す ── これは確かに「世を一新する仕掛け」じゃが、同時に怖ろしい仕掛けでもある。

海援隊の志と、地続きのもの

されど、わしは唾棄するつもりはないがじゃきね。亀山社中・海援隊でわしが目指したのは「国境を越える商い」じゃった。物と物、銭と銭が、藩や国の壁を越えて行き来する世。以前わしが「暗号資産なる国境を越える金」を語ったのと、根は同じぜよ。

ルイジアナ買収は、商いが「国土」というところまで届いてしもうた事例じゃ。わしの志を百段も先に進めた話と言える。されど ── そこに「住む者の声」はあったか? その地で代々暮らしておった先住の民の頭越しに、勝手な線が引かれたのではないか? その問いを置き去りにしては、わしの志と似て非なる道ぜよ。

結びに

世を一新するには、銭の力も要れば、剣の覚悟も要る。されど、一番要るのは、その地に立つ者の声を聞く耳ぜよ。1803年のあの取引は、後にアメリカちゅう巨大な国を生む種となった。されど、その種の下で踏まれた者の物語も、わしは忘れたくないがじゃきね。

#歴史#アメリカ#国際